社の由縁

由緒

口伝によると約五〇〇年前
二本松畠山氏の一族である
高玉太郎左衛門常頼により
高玉城(たかたま城)が築かれ
城の鬼門除けとして建立されたと伝えられてきました
城址より神社を望むと鬼門の方角(北東)に鎮座し
城を守護していた事が窺い知れます
その由縁から災い除け・厄祓いの
ご利益もあるとされてきました
城無き後は熱海(あたみ)の町を守護しています

 磐梯熱海駅周辺を含む広い地域は
その昔「高玉村」と呼ばれていましたが
度重なる行政区画の変遷により「熱海町高玉」となりました
「熱海」の地名は奥州合戦の後、領主となった源頼朝の家臣
伊東祐長の出身地である伊豆の熱海が由来とされ
会津富士とも呼ばれる磐梯山(ばんだいさん)にちなみ
「磐梯」を冠しています

むすひの社

 
社号
高司神社(たかつかじんじゃ)

創建年
天文年間、西暦1,532~1,555年

ご祭神
高皇産霊神(たかみむすひのかみ)
神産巣日神(かみむすひのかみ)

例祭日
春 4月29日
秋 10月第2月曜日

ご利益
縁結び・安産・子授・生成・再生
延命長寿・無病息災・家内安全・厄祓

天を司る神
地を司る神

高皇産霊神

 
【たかみむすひの神】
  ~天を司り高天原を束ねる司令神~
お名前の「むす」は「苔(こけ)が生(む)す」と同じ意味で
あらゆるものが生まれ、成長し
形を成していくことを表します。
命をこの世に結んだり、ご縁を結ぶ力の持ち主。
神さまの世界で政治のトップに立ち
神さまたちを集め会議を開いたり
邇邇芸命(ににぎのみこと)を地上に降臨させたりします。
神武東征では神武天皇ピンチの時に
神剣を授けたり道案内の八咫烏(やたがらす)を
派遣し助けてあげます。
後輩たちが困っていると、そっと手を差し伸べる
「できる上司感」満載の神さまです。

 この神は古事記において、自らが目立った働きはしていないが、他の神や天皇に対して援助や指示をする立場であった。

神産巣日神

 
【かみむすひの神】
  ~豊葦原中国の慈母神として地を司る神~
こちらも「むす」をお名前に持ち
命とこの世界、命と命、ご縁を結ぶお力を持ち
五穀や絹を地上にもたらすきっかけとなった神さまです。
さらに、地上の神さまを助けてくれたり
行き詰った国造りに助言するなど、とても優しい神さまなのです。
その優しさに加えて、殺されてしまった神さまを
生き返らすため自分の娘を遣わし、「むすび」の力で
復活させるなど、非常に強い力の持ち主でもあります。
優しさと強さを兼ね備えた「できる女性感」あふれる神さまです。

 大国主神に自分の御子神、少名毘古那神と共に、豊葦原中国を造り固めるよう命じた神であり、天孫降臨国譲りの段以降は姿を現さなくなった。

「ムスヒ」と「ムスビ」

 「産巣日」は、ムスヒと読むのか、ムスビと読むか。
「ムス」は苔ムス・ムスコ・ムスメのように生ずる・発生する意の動詞と捉え、ヒは日・陽、太陽とする説があり、ヒを濁音にして「ムスビ」読んで、結ぶ意に解する説もある。
しかし、現在は「日本書紀」の万葉仮名で用いられている清濁の検討により、このヒは清音とするのが定説になっている。

二柱の別名

高皇産霊神
別名 高木神(タカギノカミ)
高木神信仰の拠点とされる福岡県久留米市。30社以上の「高木神社」が鎮座する。この神は「高い木」を神格化したものである。

神産巣日神
別名 神魂命(カミムスヒノミコト)
出雲地域や日本海側での呼称
「母」を神格化したものである。
 高天原神話に於ける天照大御神以前に登場する神々は元々別の地域の神だったとする説があり、それが「筑紫の高木神」「出雲の神魂命」である。